浜寺の家の写真撮影の際に立ち寄った堺伝匠館。
堺と言えば、刃物。
時間をかけて作り上げる刃物は、鉄のかたまりが気の遠くなるような工程を経て、強く、美しく、手に馴染むものに変わっていきます。
そういえば小学校の同級生のおうちが包丁を作っているということで、社会見学として高学年の時に行ったことがあったなぁと思い出し、
現在も刃物作りされている事業所のMAPを見てみると、記憶している場所にその子の名字を見つけて嬉しくなりました。
記憶にあるのは薄暗い作業場の中から見た場面で、土間に置かれた見たことのない機材、入口と窓から入る自然光で浮かび上がるおじさんのシルエット、刃の研磨で飛び散るオレンジの火花、交代で見学するため入口で順番を待つ同級生たちのワクワク顔、シッと人差し指を口に当てる先生のしかめっ面・・・
その光景は鮮明に頭に刻まれていて、子供ながらに職人さんってかっこいいなぁと思ったことを思い出します。
そんなにいいものというわけではありませんが、
母が使用していた断ち切りばさみや生け花の教室用にと小学生の頃に母が用意してくれた水切りばさみは、今も大切に使用しています。
「効率的」からはほど遠い伝統産業ですが、こういったものが長く愛されるものとして使用され、
この先もこの技術が受け継がれていくことを強く願います。
刃物の他にも染め物や線香、和菓子などたくさんの伝統産業が堺に存在していることを初めて知り、
堺生まれとして職人の道へ進むという選択もあったのだなと、
タイムマシンがあればそっと教えてあげたいなと思いました。
特に染め物は布が好きなこともあり、今からでも飛び込みたい気持ちになります。
販売所で手にした手ぬぐいハンカチが「左海壷人」さんのもので、
どんなところかなとHP(http://sakaitsubondo.jp/)を覗いてみるとゾクゾクするような職人の世界が広がっていて、もの作りの血が騒ぎました。
あの頃のように、社会見学に伺いたいなぁ。
NANAE
